医師が海外留学へ行く方法、期間や必要な準備
医師の海外留学のメリットとデメリット
海外留学を実行へと移す若者が減ってきていると言われている日本ですが、それは医療業界も例外ではないようです。
海外で学ぼうと考える医師の数は減ってきている傾向があり、もしかしたら今後もこれはしばらく続くのかもしれません。
理由は様々あるでしょうが、医師の海外留学には当然メリットもあります。
まず、最先端の医療を学ぶことができる点です。
日本も医療に関しては先進国ではありますが、
アメリカなどでは日本では認可が降りていない治療や薬品が用いられながらの診療も行われています。
こうした日本にいては決して触れることの不可能な最先端技術等を学べる点は、海外留学の最大のメリットとなるでしょう。
日本とは異なる教育システムが構築されている点も魅力の一つです。
日本人は頭も良く勤勉で技術も高いものの、
それが狭い範囲に限定されてしまうことは否定できません。
これもアメリカを例に出しますが、米国では教育システムが先進的且つ良い意味で画一的です。
多くの医師が幅広い知識や技術を学ぶことで、医師同士の差が日本よりも狭いと言われています。
米国へ留学すれば、医療に関する満遍ない知識や技術を身につけることができるでしょう。
一方、医師の海外留学にはデメリットも考えられます。
費用がかかることと帰国後の勤務先が限られる可能性があることです。
前者に関しては医療機関や財団等に援助してもらう方法を探ることもできますし、後者に関しては、その医療機関へと戻ることで開業以外の働き口を見つけることはできますが、そうした海外留学の援助をしてくれる医療機関等がそこかしこにあるわけではないため、少しハードルが高くなる点は否めないでしょう。
医師の海外留学の事例
外科医として日本の病院に勤務していた30代後半の医師は、留学経験のある先輩からの勧めで自らもアメリカへの海外留学を決意。
アメリカの総合病院へ、3年間留学することになりました。
この医師が何よりも驚いたのは、日本との環境の違い。
日本では上下関係が厳しく、教授と研修医の間には大きな隔たりがありますが、アメリカではそんな環境ではなく、立場が下にある医師であっても上司に意見をし、上司はそれをしっかりと聞きながらアドバイスなどを行う、そんな状況が当たり前のようになっていることに、大きく衝撃を受けたとのこと。
穏やかな雰囲気で行われるディスカッションは、そこにいる全ての医師にとって有意義なものであり、留学したこの医師にとっても例外ではありませんでした。
もちろん高い技術と最新の医療科学に基づく知識も吸収し、アメリカで患者を診ることが可能となるライセンスも取得。
3年後に帰国し、元々いた病院で勤務を続けています。
海外留学で得たものは、患者へはもちろん、院内でも何かしらの形で取り入れているとのこと。
これにより院内の雰囲気も良くなり、働きやすい環境の構築にも成功しつつあると実感しているところのようです。
医師が海外留学に行くべき時期と期間は？
海外留学へ行く時期ですが、当サイトでは若い時期に行くことをお勧めします。
なぜなら若い時の方があらゆることを学べるからです。
そのため、できるだけ早い時期に海外留学を決意し実行へと移す方が、より有意義な経験ができるはず。
財団等からのサポートを受けて留学する場合には、それぞれ留学開始時期が決められているため、それに合わせる必要が出てきます。
海外留学の期間ですが、医師の場合は2年から3年が一般的です。
これも財団から支援を受けるケースでは、例えば「1年以上」などと下限が設けられていることがあるので、それも考慮しながら決定していかなければいけません。
あまりにも短い期間では学べることは限定的となってしまうため、やはり3年ほどは海外に留まり、その地で様々なことを学ぶ必要が出てくるのではないでしょうか。
医師の海外留学に必要な準備とは？
非常に現実的なことであり事務的なことにはなりますが、医師が海外留学へ乗り出すためには、いくつか準備しておかなければならない事があります。
- J1ビザの取得
- 国外転出届・郵便転送届
- 住民税や国民年金等の手続き
- 公共料金等の手続き
- 国外運転免許証の取得
- 海外保険の加入手続き
主なものでもこれだけありますが、海外へと引っ越すため、引っ越し等に関する作業や手続きなども必要になってくるでしょう。
家族を日本に残す場合と家族も一緒に引っ越す場合、あるいは独身医師が単身で海外へと行く場合などによって必要な手続きや届け出などは変わってきます。
もちろん、それ以前に支援財団を探し、研究機関等の情報を確認した上で留学先を決めておかなければ、海外留学などできません。
様々な準備が必要となりますが、一連の手続き等をある程度サポートしてくれる団体もあるため、そのようなものを利用しつつ海外留学の準備を進めていきましょう。