産業医にはどうやってなる?年収や勤務時間は?
様々な場所で必要とされている医師の力
医師は当然のことながら医師免許を取得していなければ従事できない職種であり、つまりは業務独占資格となるわけですが、だからこそ価値が非常に高く、様々なところでその力や知識、スキルといったものが必要とされています。
病院や診療所、クリニックなどの医療機関で医師が必要とされているのはもちろんですが、
介護福祉施設などでも医師の活躍が必要不可欠なものとなっています。
また、企業も医師の存在なくしては成立しない業種がいくつもあり、製薬メーカーはその代表的存在でしょう。
さらには、業種に限らず、多くの従業員を抱える企業では産業医を置く必要もあるため、ここにも医師の活躍の場が与えられていることになります。
特にこの産業医は
重要性を増してきており、人数の少ない企業や事業場であっても、敢えて医師を設置するところも増えてきています。
従業員の健康は企業の業績にも直結することを考えれば、これは当たり前の流れなのかもしれません。
産業医とは?
医師が活躍できる、あるいは必要とされる場に企業があり、その一つに”産業医”があると述べましたが、これは一体どのような職種であり、仕事なのでしょうか。
産業医とは、オフィス、工場、店舗などにおいて、そこで働く従業員が安全且つ健康に仕事に励めるよう、健康診断やそれに関連した指導、職場環境に関するアドバイスや指導等を行う仕事です。
従業員から健康に関する相談があれば、それにも適切に答えなければいけません。
あらゆる観点から医師としての智見を生かし、従業員の健康を守ることが主な役割であると思っておくといいでしょう。
従業員が50〜3,000人の事業場においては、1人以上の産業医を設置しなければいけません。
3,001人以上であれば、2人の産業医が必要となります。
気になる年収ですが、これは専属か嘱託か、そして企業の規模などによっても変わってきます。
平均で800万円前後とは言われているものの、大企業で専属契約を結べば、1,000万円を超えることも難しくはありません。
中には年収1,500万円前後の産業医も数多く存在しています。
勤務時間は、専属の場合には事業場の従業員とほぼ変わりません。
例えば朝の8時から夕方の5時までなどとなり、残業のあるケースはないのが一般的です。
産業医になるために必要なもの
医師免許を有していれば、そのまま産業医として働けるというわけではありません。
産業医として働くために必要なものに、“研修”があります。
産業医研修は日本医師会などが行っており、その研修を修了する必要があるのです。
あるいは、産業医を養成するためのカリキュラムを取り入れている産業医科大学等で、カリキュラムを修了し実習を受けた人も、産業医になるための要件を満たすことができます。
また、労働衛生コンサルタント試験をパスし、試験区分が保健衛生であれば、これも産業医になるための資格を持っていると見なされます。
さらには、大学で労働衛生に関することを教えている教授や准教授等も、産業医になることが可能です。
医師が産業医になるためには上のいずれかの要件を満たしている必要がありますが、現実的なことを考えれば、日本医師会が実施する産業医研修を受けるというパターンになるのではないでしょうか。
産業医の求人はどこで確認できる?
産業医になるために必要な要件を満たした後は、実際に企業による産業医の募集案件を探さなければいけません。
産業医の求人は、インターネットでも見つけることが可能です。
医師専門の求人サイトを覗いてみましょう。
“産業医”というカテゴリが用意されていれば、そこをチェックするだけで複数の求人が見つかるはず。
病院やクリニックなどの求人よりもはるかに数は少ないですし、地域によっては求人が見つからないこともありますが、決して全く存在しないわけではありません。
年収や雇用形態(専属か嘱託かなど)にこだわれば求人数は限定されるものの、
非常に魅力的な仕事ではありますから、粘り強く探し続ける価値はあるはずです。
サイトにより取り扱っている案件数も案件内容も異なるため、できるだけ多くの求人サイトをチェックするようにしてください。
必要に応じて医師専門の人材派遣会社に相談してみるのもいいでしょう。
この職種に関する適切なアドバイスを受け取ることができるはずです。