医師の働き方は今度どう変わる？働き方改革とは？
変化しつつある医師の働き方
日本全体で、そして、あらゆる業種や職種で、今働き方が見直されようとしています。
医師もその波に飲まれていると言ってもいいでしょう。
少し前から、医師の働き方が変わってきているのです。
それまでの凝り固まった考え方や慣習では医師は減る一方であり、また、社会へと提供している技術等には見合わない報酬や待遇が問題視もされ、研修制度から見直そうという動きがありました。
そうして少しずつ変化しつつある医師の働き方ですが、今後はさらに多様性を増し、取捨選択が比較的自由にできるような業界になることは間違いないでしょう。
まだ医師としての経験の浅い者にあまりにも自由を与えてしまえば、それは日本医療の質の低下を招く恐れがあるため、一定の配慮等は必要ですが、これまでの医師の人権を無視していると言っても過言では無い労働環境は確実に変わり、医師の人としての生活も重視しながら働けるような環境が整っていくことは確実です。
すでに始まっている医療業界の働き方改革…
若い医師はこうしたことを理解し今後を見据えた上で、キャリアプランを検討していく必要に迫られます。
医師の働き方が見直された背景
少し触れてはいますが、これまでの医師は、とにかく激務でした。
今でも激務であることは変わらず、特に研修医や特定の診療科目では、
考えられないほどの長時間勤務が当たり前となっている点も無視はできません。
しかし、医師の人数の増加に伴い、また、医師の働き方に重点を置く医療機関も増加してきていることから、この状況も少しずつ改善へと向かっています。
医師の働き方が見直されてきている背景は、まさにこの激務があり、それにより転科してしまう医師が増えたことが考えられるでしょう。
そもそも若い医師が特定の分野へと進む際、「あの科目は激務だから避けたい」とネガティブなイメージで敬遠してしまい、医師不足の解消に科目格差が生まれていることも、一つの背景と捉えることができるのではないでしょうか。
もちろん、国が主導して「働き方改革」を進めていることも、大きな要因の一つでしょう。
冒頭で触れた、社会全体で働き方が見直されようとしている中、医師が例外となることなどできません。
厚生労働省が提唱する働き方改革とは？
テレビニュースや新聞などでも連日取り上げられている「働き方改革」。
これは一体、どのようなものなのでしょうか。
厚生労働省が提唱している働き方改革は、簡単に言えば、日本全体の労働人口を増やし、労働生産性を上げることを目的とした施策です。
女性や高齢者にこれまで以上に働いてもらいながら、日本の悪しき習慣となっている長時間労働を改善すると同時に生産性を上げ、日本の経済を底上げしようという考え方が、ここにはあります。
医師という職業にフォーカスした改革施策ではないため、医師が特段この厚生労働省が提唱する働き方改革を強く意識する必要もありませんし、すぐに何か影響が出てくるという訳でもありませんが、世の中の流れに沿って医師の働き方が医師に恩恵のある形へと変化することは十分に期待できるでしょう。
若い医師は、この波に乗り遅れないような意識を持っておくことが重要です。
この意識が薄弱のままキャリアを進めていけば、どこかで社会との乖離が発生し、キャリアアップや転職といったものも成就しなくなってしまうかもしれません。
十分に注意しながら、自らのキャリアを見据えていきましょう。
将来の医師の働き方
医師が今後どのような働き方になっていくのか、これはまだ誰にもわかりません。しかし、一定の予想はつくでしょう。
これまでは医局と呼ばれるような組織内でのヒエラルキーが存在し揺るぎない縦割り構造になっていましたが、これからは、その構造も変わってくるはずです。今すぐには困難ですが、将来的には患者最優先の協働体制が敷かれていくと考えられます。
また、医師が行っていた業務の数々を他の専門家、例えばクラークなどに任せ、医師の仕事量そのものを抑えることも検討されていますし、すでにそのようなことを実行している医療機関も出てきています。
労働生産性を上げるためには女性医師の力を借りないわけにはいきません。
女性医師の復職や再就職等をサポートし、また、性別関係なくキャリアが形成できるような環境も整っていくでしょう。
これまでの医師の自己犠牲も抑えられ、おそらく、心も体も疲弊の少ない働き方があちらこちらの医療機関でできるようになるはずです。
「楽になる」という言葉は適当ではありませんが、医師がその能力を十分に発揮できる環境が整うことは間違いないでしょう。
今の若い医師たちが、それをどう作り上げていくのか、全てはここに懸かっているのかもしれません。
